August 14, 2006

盆日














そうだ。夏休みというのは、こんな空をしていた。
お盆である――。
千葉の祖父を墓まで迎えに行き、そして祖母の待つ家に連れて帰った。



仏壇に花を生け、母がお膳を作って供え、
早々にひまになったわたしは、いつものように祖父の書棚を物色する。
祖父はなんでも集めるのが好きだった人で、本も、図鑑や写真集の類いの愛蔵版といった顔つきのものが、ずらりと並べられている。
気に入ったものに囲まれて暮らしたいという気持ちは、わたしにもわかる気がする。
生前は まるで似ていないと思っていたが、だんだん血は争えないなあと、苦笑することが増えてきた。

今日、祖父の魂は家に帰ってきて、ひさしぶりに自分の宝物と再会しているのだろうか。


                                        大徳寺門前

報恩の心を、言葉であらわすのはとてもむずかしい。
そういうときは、たぶん、行動をしてみるのがいい。
たとえば、手を合わせる、線香をあげる・・・・・そのことに、ただ心をこめる。
形とは、意思が洗練されたものにちがいないし、
心をこめたら、きっとそれは通じるにちがいないから。