May 15, 2007

本当に大事なもの

何でもみんなで分け合うこと。
ずるをしないこと。
人をぶたないこと。
使ったものはかならずもとのところに戻すこと。
ちらかしたら自分で後片付けをすること。
人のものに手を出さないこと。
誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと。
食事の前には手を洗うこと。
トイレに行ったらちゃんと水を流すこと。
(中略)
おもてに出るときは車に気をつけ、手をつないで、
はなればなれにならないようにすること。
不思議だな、と思う気持ちを大切にすること。
              (ロバート・フルガム)

人間がどのように生きればいいのか、それはすでに幼稚園で教わっている・・・・
フルガム現象を引き起こしたと言われるこの金言は、本当にそのとおりだと改めて心を打つ。
たしかに、どんなにお金持ちでも、仕事ができても、容姿端麗でも、これらのことができない人は、誰からも相手にされず、幸せになれないだろうし、またここにあげたような約束だけでも、地球上のみんなが守れたなら、ずっとこの世の中は生きやすく、平和にちがいないだろうに、と思う。
ほら、みんなで分け合えばいいでしょう?そうしたら仲良くできるでしょう?とこどもを諭すのに、おとなの世界はといえば、どうやって独り占めしようかと知恵をしぼる時間と労力で占められている。
ずるはだめ。無垢なこどもにはそう叱って、「○○ちゃんはするもん」、なんて言い返したら、他の人がしても、絶対してはいけなことなの・・・・と叱るはずなのに、どうして、いつごろから、おとなは「ずる」の自慢をし合うようになってしまうのだろう。
人をぶたないように。それはちょっと頭のよいおとなだったら、もうしないけれど、言葉でなら人を叩いても、蹴っても罪はないと思っているおとなを、こどもが気がついていないと思うのはまちがいである。

いつごろ、どうして、わたしたちはこれらの本当に大事なことより、お金や、仕事や、見た目の方が大事になってしまったのだろう。みんながするから、だろうか?そんなみんなには、合わせる必要がないのに。