May 5, 2007

言の葉

 始めに言葉があった。言葉は神とともにおられた。
 言葉は神であった。この方は世の始めに神とともにおられた。
                       <ヨハネの福音書>

 十代のころ、鮮烈にわたしのからだを駆け抜けた言葉だった。
そしてわたしは文学を勉強したいと思った。
言葉にはとても根源的なものがあるという確信が、
命をわしづかみにされるような力強さで、
わたしの心を奪ったのである。
 
 十年後、言葉についてのその考えは、ひとつのイメージに結ばれ、
「木の葉の詩」という詩を書いた。

 それからまた十年を経て、わたしは、
この詩をリアリティの中で体験する自分に出会い、
そしてこれを証したいという願いを持った。
正確に言えば、願いを持ち直した。
 
 言の葉に乗った精霊たちよ、
どうかこの世界を美しい歌であふれさせて。